老朽と蟻害の影響で建物全体が東側に著しく傾き倒壊を危惧 『全面大改修』
お宮拝殿の屋台骨である隅木、その上下の梁・桁がシロアリに侵され2本の仮説サポートで支持されている。
この状態で、10数年間だれも手を出せずに放置されていたと言うのですから驚きです。
向拝真上の桁と隅木の解体状況
表面は、辛うじて原型を留めていましたが切断すると写真の状況でかなり広範囲にわたってシロアリに侵されていました。
桁・梁・隅木は全損解体取り替えのため、
一間持ち出していた扇タルキ、茅負、木負、裏甲の主要な木全て取り除いています。
主要な取替の一部が加工場に持ち込まれています。
写真の1番長く厚い、巾のある材料(桧)が取換用の隅木です。
長さは6ⅿ巾は60㎝あります。そのほかの構造材も桧の無節または上小節と、特上の材料ばかりです。
”小屋組改修計画図2”のマーカーしている部分が取換をした場所になります。
写真と図面で観て頂いた通り向拝で主要な構造材の大半は取替となりました。
幸い腕の立つ大工の棟梁のおかげで考えられないような離れ技をなしえました。
茅負・裏甲は軒を長く出した神社建築の主要構造材になります。
これが腐ると軒は持ちません
桔木と言う木材が茅負に差し込まれて軒先を支えています。
軒先の垂木が中心部より放射線状に伸ばした取付方法をセンスの骨と同じために、扇垂木と呼ばれております。
こんなに近い間隔に取付けないと軒を支えることが出来ないと思われがちですが、
実は貼付け垂木とも呼ばれており、体裁良くしているだけで早く言えば飾りの垂木です。軒天井板の受材しか構造的にはなっていません。
あわじ瓦のいぶし銀、綺麗に葺替が完了しました。
以前は向拝の軒先が右側に大きく傾いていましたが、堂々たる風格と清々しい神聖な姿に蘇りました。
御霊社は境内入口に3つの異なる名前の鳥居が横並びに3本立っています。黒津地区に以前3つの神社があったそうですが、1つにまとめて御霊社になったそうです。落成式は盛大にねり行われ、区長をはじめ建設委員の皆様地区の方々が集まってお祝いをしました。